コラムcolumn

日本が発展途上国だった時代の日米租税条約と、日本が先進国になった時代の日米租税条約

国境を越えてのお金のやりとりから生まれる所得税に対して、二重課税や脱税を防ぎ、より円滑に国際税務を行うために二国間で締結される租税条約は、日米間でも締結されています。最初の日米租税条約の締結は1954年ですが、現在締結されている日米租税条約は、2003年に全面改訂されたものです。
サンフランシスコ講和条約によってアメリカの占領から独立した日本が、アメリカと1954年に締結したのが最初の日米租税条約で、同条約は日本が最初に他国と締結した租税条約でもあります。この最初の租税条約が締結された時期、日本は敗戦からの復興期にあったために、条約の内容も日本国内の源泉所得への源泉課税権を重視した内容になっていましたが、20世紀後半に日本が高度経済成長期を経て先進国になると、その内容が日本に有利すぎるとして問題視されることになりました。そこで2003年に全面改訂された条約が、現在の日米租税条約になっています。この現在の条約では、アメリカが日本に対して改訂前より有利な経済活動を行うと同時に、日本がアメリカからの投資をより積極的に受け入れることが意図されています。