コラムcolumn

国際税務の基本的なあり方と課題

国家の課税管轄は、行われる経済活動と国家のサービスの間で何かの結びつきがあるときには、経済活動を行う者に対する国家の課税権は認められると考えました。しかし、現在の日本の国際課税制度は、昭和37年当時に行われた税制改正で決められた基本的な仕組みがもとになっています。当時、国際課税についての議論は、国際的二重課税をなくすことが重要視されていました。そのことから、日本の課税権は譲歩するような傾向にあることは否定できません。
このような考え方を基本としている現在の国際課税制度とその後行われた租税回避の議論には、想定外のすきまがあることがわかります。また、両方を考慮して作られた諸外国の租税条約や国際課税制度の間にも作られてから気付く落とし穴があったのです。
今後の国際税務の課題は、国家が課税権を譲歩する傾向にあることによって引き起こされてしまう租税回避問題への対策を行うことです。そのために国家の課税管轄の基本の考えを見直し、課税権を確保することが求められます。