コラムcolumn

アメリカにおける日本企業子会社の節税について

日本企業の在アメリカ子会社にも関係する、2017年12月22日に成立したアメリカの新しい税制改正について主な改正点を述べます。

1.連邦法人所得税を従来の35%から21%に引き下げられました。

2.従来から懸案であった法人代替ミニマム税制(AMT)が廃止となりました。

3.2017年9月28日以降2022年12月31日までに取得あるいは事業供用された固定資産の即時償却が可能となりました。

4.支払利子の控除制限金額を超えた分の損金算入が制限されることになりました。

5.テリトリアル課税として、海外法人から受け取る配当金を全額免除されることになった反面、配当にかかる外国税額控除が撤廃されました。

6.強制みなし配当課税として、アメリカの会社の外国法人にある海外に留保している所得の累積額(1987年以降の海外利益累積額)に現金などの流動資産には15.5%、現金以外の固定資産については8%の税率が1度限りの課税が実施されることになりました。

7.タックス・ヘイブンの対策税制として、CFC(アメリカに居住している株主が支配している外国法人)の定義を拡大し、アメリカ法人の親会社が保有する他の外国法人も子会社であるアメリカ法人が保有しているものとみなした課税を強化しています。

今回の改正で連邦法人所得税が35%と引き下げられた結果、税源浸食は低下すると思われますが、一方、テリトリアル課税に移行することで海外移転された所得の課税機会を食い止めることから、対象となる法人に対して税源浸食防止規定により課税されることになります。

また、日本企業の在アメリカ子会社にとっては、課税強化あるいは減税の両面が見込まれます。
改正による日本企業の在アメリカ子会社の節税の効果が見込める点について、いくつか述べます。
1点目は、固定資産の即時償却が可能になったことで、直近で取得した資産の償却費用の圧縮が見込めます。
2点目は、支払利子の損金不算入により、従来は日本の親会社からの親子ローンをする方がメリットでしたのですが、今後は親会社からの出資の方が得策となります。
3点目は、試験研究開発費(R&D)税制の控除が継続されることになっていますので、アメリカでの研究開発費の投入に傾注することでメリットがあります。

以上、ポイントを簡単に述べさせていただきました。