FAQQUESTIONS

税務関係

Q1海外赴任者の年末調整

本年10月から、当社の社員甲氏を2年間の予定で海外へ赴任させますが、甲氏が日本を出国するに当たり、日本の税務上、何らかの手続をする必要があるのでしょうか。

A. 1年以上の予定で海外勤務する人は、出国の「翌日」から日本の「非居住者」に該当するため、出国までの日に「年末調整」を行う必要があります。通常、年末調整というと年末に行うイメージですが、海外赴任する人に関しては年の途中で年末調整を行うことになります。
※年末調整とは、毎月の給与や賞与から源泉徴収した所得税が多いので、年末調整を行うことによって、その人が本来納めるべき所得税との差額を調整するものです。年の途中で出国する場合、年末調整の対象となる給与は出国する日までの給与になります。

2.対象となる所得控除について

人的控除については1年分、物的控除については出国する日までのものが対象
社会保険料や生命保険料の控除は出国する日までに支払われたものだけに限られます。
一方、扶養控除や配偶者控除は1年分控除できますので、通常、年末調整により源泉徴収された所得税は還付されることになります(所得時法191)。
また、海外に出発する日までに、すでに総合課税の対象となる所得があるときや、出国後の日以降、国内にある不動産の貸付による所得や国内にある資産の譲渡による所得があるときは、日本で、確定申告が必要になる場合があります。

Q2納税管理人について

このたび、2年間の予定で海外赴任する甲氏から、「納税管理人はどうしたらいいか」と質問がありました。甲氏は海外勤務中も、日本で不動産所得などが発生するため、その納税代行として、納税管理人が必要とのことですが、そもそも納税管理人とはどういう役割を担うのでしょうか。

A. 納税管理人とは、確定申告書の提出や税金の納付等を、非居住者に代わって行う人のことです。納税管理人は居住者であれば原則、誰でも構いません。家族が日本に残る場合は配偶者でも結構ですし、会社の経理担当者が担当しても問題ありません。また、顧問税理士や、知り合いの弁護士等の専門家であればなおさら安心です。

1.納税管理人はどういった場合に必要なのか?

海外勤務中、給与以外の所得が日本国内で発生する場合にのみ必要
1年以上の予定で日本を離れる場合は、出国の翌日から「(日本の)非居住者」となります。しかし、非居住者の所得のうち、日本国内で発生した所得については、引き続き日本の所得税が適用されます。
たとえば貸家の賃貸料等の不動産所得が一定以上であれば、毎年確定申告をしなければなりません。このような場合には、出国する日までに納税管理人を定める必要があります。
では納税管理人の役目とは一体どのような内容でしょうか。一般に納税管理人は、確定申告書の提出や、税金の納付等、非居住者の納税義務を果たすために置かれます。
納税管理人を定めたときは、その非居住者の納税地(通常、直前まで居住していた住所のあるところ)を所轄する税務署に「納税管理人の選任届」を提出する必要があり、納税管理人の届出をした後からは、以後税務署が発行する書類は納税管理人宛に送付されます。(納税管理人を解任したときも、当該納税者の納税地の所轄税務署長にその旨を届け出なければなりません。)

2.納税管理人を定めないとどうなるか?

確定申告の際、扶養控除等の判定に関して不利になるケースがある
前述のとおり、海外勤務中に給与以外の所得が日本で発生する場合は納税管理人を定める必要があります。
居住者が非居住者になる前に、納税管理人を選任して、その旨を届け出ている場合には、所得税法上は申告期限、扶養控除の判定等に関して「出国」したことにはならず、納税管理人を選任しなかった場合と比べ、違いがあります。

Q3住民税について

住民税は前年度の所得に対してかかる税金と聞いていますが、たとえば出国予定時期が年末か年始かによって、翌年度の住民税の有無が変わると聞きました。出国時期によって、翌年度の住民税がどうのように異なるかを教えてください。

A. 住民税は「前年度の所得」に対し課税される税金で、毎年1月1日に日本に居住しているか否かで、その年の住民税の納税義務が決まります。そのため、出国時期を年末から年始の間で考えている場合は、年末までに出国した方が有利です。

1.住民税の計算期間と納付期間

前年度の所得に対して課税される
住民税とは、「道府県民税と市町村民税」の総称のことです。
この住民税は、所得税とは違い、「前年所得課税主義」といって、「前年度の所得」に対して課税される税金です。

2.年末年始をはさんだ出国に際しての住民税の有利・不利

年初よりは年末に出国した方が有利
年をまたがった出国の場合、その年末に出国するか翌年初に出国するかで、住民税の負担額が大きく異なってきます。
もちろん、住民税支払の多寡だけで、出国の日を決定することは一般的ではないと思いますが、念のため、出国の日のわずかな違いで、どれだけ住民税負担額に差が生じるのかを以下に説明してみました。
(市区町村は、居住者であるか非居住者であるかの判断を、会社から受ける「給与支払報告書」により行います。したがって、出国までに転出届ができず、本人の住民票が残っていたとしても、そのために住民税が徴収されるということは基本的にはありません。)

Q4住宅ローン控除について

このたび、当社の社員甲氏を平成24年3月から3年間の予定で海外駐在させますが、甲氏は、平成19年に購入した自宅の住宅ローン控除を受けています。(甲氏は単身で海外に駐在し、甲氏の家族は引き続き居住します。)この場合、海外駐在期間中も、甲氏は、住宅ローン控除の適用を受けることができるのでしょうか。

A. 出国の日を含む年分以後(この場合、平成24年分以後)においては、原則的には住宅借入金等特別控除を受けることはできませんが、帰国後居住者となった後においては、一定要件のもとにこの控除を受けることができる場合があります。また、家族を伴って赴任する場合と単身で赴任する場合とでは、その転勤が国内勤務であれば、住宅借入金等特別控除に関する取扱いは異なりますが、海外転勤の場合は、いずれの場合も、帰国後にしか、住宅借入金等特別控除の適用は認められません。

1.住宅ローン控除適用の条件

日本の「居住者」であることが大前提
居住者である所得者が、平成9年1月1日から平成25年12月31日までの間に、10年以上の償還期間のあるローンで住宅を取得してその取得の日から6か月以内に居住の用に供した場合には、その居住の用に供した年以後一定期間(住宅取得年により異なります)、一定要件のもとに一定額の住宅借入金等特別控除を受けることができます。
ただし、いずれの年分においても、その年の12月31日まで引き続き住宅を居住の用に供していることが適用要件になっています(借法41①)。
この住宅借入金等特別控除(以下「住宅控除」といいます。)は、本来「居住者」についてのみ認められる制度であるため、海外勤務者(非居住者)として年の途中で非居住者として出国した場合には、たとえ、留守家族が引き続きその居住の用に供していても、住宅控除は適用されないことになります。

2.帰国後に住宅借入金等特別控除の再適用を受けるには

出国までに行うべきこと
しかし、この海外勤務者が帰国し居住者となった後、再びその住宅を居住の用に供した場合は、それ以降の年分(残存控除適用期間内の各年分に限ります。)については、住宅控除の適用を認めることが適当であると考えられます。
このケースの場合も、海外勤務期間中の非居住者である年分については住宅控除は適用されませんが、非居住者(甲氏)が海外勤務を終え帰国して居住者となった後、住宅控除の適用対象となっていた住居を再び住居の用に供しているときは、それ以後の残りの控除適用期間内の各年分については、再度住宅控除の適用が認められます。
(住宅控除の再適用を受けるためには、「その家屋を居住の用に供しなくなる日(すなわち転勤する日)」までに所定の手続をする必要があります。詳細は最寄りの税務署(所得税担当)にお問い合わせください。

Q5個人の税金(基本的考え方)

日本人が海外勤務をした場合の所得税課税はどのようにあるのでしょうか。

ポイント

税務上の居住地国を決定する
居住地国では全世界所得課税を受ける
居住地国以外で稼得した所得に関してはその所得源泉地国でも課税を受ける
二重課税は外国税額控除により調整する

1.個人の居住地国の決定

海外で所得を得る個人の課税を考えるにあたっては、その個人の居住地国を決定することが重要です。一般的にはその個人の住所地になります。

2.居住地国の課税

居住地国では、その国内で得た所得はもとより、他の国で得た所得についても課税を受けます(全世界所得課税)。たとえば、外国法人から得た配当所得、海外不動産から得る賃貸料所得は他の国で生じた所得ですが、居住地国内で得た所得と合算して課税されます。このように、全世界のどこで取得したかにかかわらず、すべての所得を居住地国の課税所得の計算においては、課税所得に含めます。

3.居住地国以外の国課税

個人が居住地国以外で所得を得たときは、所得源泉地国はその国で生じた所得に対してだけ課税権を有します(所得源泉地国課税)。たとえば、日本を居住地国とする個人が米国法人から配当を得た場合には、米国はその配当に対して課税権を有します。

4.二重課税の調整

居住地国で全世界所得課税を受け、所得源泉地国でもその所得に対して課税を受けた場合には、2ヵ国で課税を受けることになり、二重課税が生じることになります。海外で得た所得に対してその所得源泉地国で課税を受け、さらに居住地国で課税を受けるようではその所得に対する税負担は大変重いものになってしまいます。そこで、所得源泉地国で支払った税金を、居住地国で支払う税金から控除することができる‘‘外国税額控“の制度が設けられています。

5.日本の居住者が稼得する海外所得に対する課税

日本の居住者が海外で所得を得た場合にも上記国際課税の規定が適用されます。つまり、所得源泉地国ではその国で生じた所得について課税され、日本では国内外を問わずすべての所得に対して課税されます。そして、所得源泉地国で支払った税金は日本の所得税から控除されます。

Q6税務上の居住地国の決定

個人の居住地国の決定はどのようにして行うのでしょうか。

ポイント

税務上の居住地国は、居住している国の税法により判断する
国により税法の居住者の定義は異なるので、複数の国で居住者となることがある
複数の国で居住者となったときは租税条約に基づき、居住地国を決定する

1.居住地国の判定

居住地国の判定は、その個人が居住している国の税法により判断します。生まれて
以来日本にだけ居住していて日本国籍のみを有している個人、あるいは外国に居住している個人などは、日本の税法による居住地国の判定が必要になります。

2.二重居住者

国によって居住者の定義は異なりますので、場合によっては2ヵ国以上の国で居住者に該当するケースがでてきます。たとえば、米国で数年間勤務をして帰国した海外転勤者は、帰国の日の翌日からその年12月31日までの期間は通常二重居住者になります。日本の税法では居住者の定義を「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」としています。海外転勤者は帰国後は日本に住所を有することになるので日本の居住者となります。一方、米国では居住者の定義は「①グリーンカード所有者、または②問年度の在住期間が31日以上で、かつ、当年度を含めた過去3年間の在任期間が183日以上。この在任期間の計算期間」は、当年度1、前年度は1/3、前々年度は1/6を乗ずる」となっています。転勤者は通常グリーンカード(米国永住権)は有していませんが、帰国年度は②の要件に該当する者がほとんどです、したがって、米国でも居住者となります。

3.二重居住者の居住地

二重居住者の税務上の居住地は、関係国間の租税条約により決定します。個人は、居住地国では全世界所得税課税を受けるので、2ヵ国が居住地国となると大変重い税負担がかかってきます。そこで、二重居住者の場合には租税条約でいずれの国を居住地とするかを定めています。
米国と日本の二重居住者のケースは、日米租税条約により居住地国を判定します。下記の順序(判断が困難な場合には下位に下りていきます)でいずれの国の居住者になるかを判断します。
恒久的住居が存在する国
人的および経済的関係がもっとも密接な国(重要な利害関係のある国)
常用の住居が存在する国
国籍
両国の権限ある当局の合意
これで判断すると、まずほとんどのケースが最初の判定(恒久的住居が存在する国)で日本の居住者になると思われます。

Q7海外赴任者の居住地国はどこか

日本人が海外転勤をした場合の居住者の判定はどのようになるのでしょうか。

ポイント

海外転勤者の税務上の居住地国の判定は、当初の海外勤務予定期間が1年未満の場合は日本の居住者、1年以上の場合は非居住者となる
海外勤務予定期間が1年未満の転勤者は非居住者となる期間はない
海外勤務予定期間が1年以上の転勤者は出国の翌日から帰国の日までが非居住者となる
勤務地国の居住者規定も考慮する
双方の国で居住者となる場合には租税条約により居住地国を決定する

1.日本の税法による居住地国の判定

日本の税法による居住者の定義は、「国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」と規定されていますが、海外転勤者は具体的には海外勤務予定期間が1年未満の場合には出国後も日本の居住者、1年以上の場合には出国の日の翌日から日本では非居住者となります。また、勤務予定期間が明らかでない場合にも、出国の日の翌日から日本では非居住者となります。
したがって、海外勤務予定期間が1年未満の個人は、非居住者となる期間はなく、海外勤務予定期間が1年以上または不明の個人は、出国の日の翌日から帰国の日までが非居住者となります。

2.勤務地国法令による居住地国の判定

勤務地国法令においても、その国で居住者か非居住者かの判定を行う必要があります。仮に、日本で居住者、勤務地国においても居住者となる二重居住者となった場合には、日本とその勤務地国の租税条約によりいずれの国を居住地国とするかを決定する必要があります。

Q8居住者である海外勤務者の課税

日本の居住者と判定された海外勤務者の海外勤務中の所得税課税はどのようになるのでしょうか。

ポイント

海外転勤者の税務上の居住地国の判定は、当初の海外勤務予定期間が1年未満の場合は非居住者となる
海外勤務予定期間が1年未満の転勤者は出国の翌日から帰国の日までが非居住者となる
勤務地国の居住者規定も考慮する
双方の国で居住者となる場合には租税条約により居住地国を決定する

1.日本の税法による居住地国の判定

日本の税法による居住者の定義は、「国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」と規定されていますが、海外転勤者は具体的には海外勤務予定期間が1年未満の場合には出国後も日本の居住者、1年以上の場合には出国の日の翌日から日本では非居住者となります。また、勤務予定期間が明らかでない場合にも、出国の日の翌日から日本では非居住者となります。
したがって、海外勤務予定期間が1年未満の個人は、非居住者となる期間はなく、海外勤務予定期間が1年以上または不明の個人は、出国の日の翌日から帰国の日までが非居住者となります。

2.勤務地国による居住地国の判定

勤務地国法令においても、その国で居住者か非居住者かの判定を行う必要があります。仮に、日本で居住者、勤務地国においても居住者となる二重生活となった場合には、日本とその勤務地国の租税条約によりいずれの国を居住地国とするかを決定する必要が
あります。

Q9非居住者である海外勤務者の課税

日本の非居住者と判定された海外勤務者の海外勤務中の所得税課税はどのようになるのでしょうか。

ポイント

勤務地国の課税
勤務地国の居住者なので同国入国の日から出国の日までは全世界所得に対して課税
それ以外の期間は勤務地国では非居住者なので同国から生じた課税にだけ課税
日本の課税
日本を出国する年の1月1日から出国の日までは居住者なので、その期間の所得は国内、国外を問わず課税
出国の翌日以降は非居住者なので、日本国内から生じた所得だけが課税
帰国する年は1月1日から帰国の日までが非居住者なので、日本国内から生じた所得だけが課税
帰国の日の翌日以降は居住者なので、国内、国外を問わずすべての所得に対して課税

勤務地国の課税
日本の税法、勤務地国の税法および租税条約により、勤務地国の居住者となった個人は、同国に入国した日から出国する日までの間は同国において全世界所得課税を受けます。したがって、日本に預金、有価証券、不動産などの資産を有しており所得が生じている場合には、その所得は勤務地国の税法および租税条約によりそれらの所得も勤務地国の課税範囲に含まれます。このとき、日本で所得税を支払っているときは、勤務地国の税法によりますが、一般的には外国税額控除または外国所得免除を受けることができます。
上記以外の期間は日本の居住者、つまり勤務地国では非居住者となりますので、同国内で生じた所得だけ課税対象となります。

日本の課税
日本を出国する年の1月1日から出国の日までは日本の居住者なのでその期間の所得でその期間の所得は国内、国外源泉問わず日本で課税です。出国の日の翌日以降は非居住者なので、日本国内で生じた所得だけが課税対象となります。したがって、日本国内に預金、有価証券、不動産などの資産を有しており所得が生じている場合には、その所得は非居住者期間中も日本の税法および租税条約に基づき日本で課税を受けます。
帰国する年は1月1日から帰国の日までは非居住者ですので、日本国内から生じた所得だけが課税対象となります。帰国の日の翌日以降は居住者なので、国内、国外源泉を問わず、すべての所得が課税対象となります。

Q10円換算

外国で生じた所得を日本で確定申告する場合の円換算は、どのようにして行えばよいでしょうか。

ポイント

契約で支払期の定めのある所得は、契約で支払われるべき日、または支払われた日の電信相場で換算する
支払期日が定められていない外国所得は、支払われた日の電信相場で換算する

所得税の計算にあたって、外国通貨で取得する所得は円に換算する必要があります。その換算レートは外国所得を受け取る期日が契約等で定められているものは、契約で支払われるべき日、またはその支払いが著しく遅れる場合を除いて、支払われた日の電信売買相場で換算します。
また、支払期日が定められていない外国所得は実際に支払われた日の電信買相場で換算します。

Q11外国税額控除

日本の居住者が支払う外国税に対する外国税額控除の計算についてご教示ください。

ポイント

居住者が取得する外国所得に外国所得税が課されたときは、外国税額控除の適用がある
外国所得税額は原則全額控除することができるが、控除限度額を超える部分は控除することができない
控除限度額を超える支払外国所得税は翌期以降3年間繰越し、その繰越期間の控除限度額の範囲内で控除することができる

1.居住者の外国税額控除の適用

日本の居住者である個人は、日本で全世界所得課税を受けるので、外国で課税を受けた所得についても日本では所得税の課税対象になります。このような二重課税を排除するために“外国税額控除”は個人にも適用されます。
日本の非居住者である個人は、勤務地国で居住者となっているので同国にて二重課税の調整が行われます。

2.控除対象となる外国税

外国で支払った税金のうち、控除対象となるものは「外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により個人の所得を課税標準として課される税」(以下、外国所得税)です。したがって、遅延税や加算税のような罰課金的な性格の税も含まれず、また、任意に納付や還付を行うことができる外国所得税は、租税回避防止の観点で対象から除かれています。
法人が外国税額控除を受ける場合には、高率負担部分は控除対象とはならないのですが、個人の外国税額控除の適用には高率負担部分の適用除外の考え方はなく、外国所得税は全額が控除対象となります。

3.控除限度額の計算

控除対象となる外国所得税は、控除限度額の範囲内で所得税から控除することができます。
たとえば、短期間の海外出向により国外で200万円(円換算後)の給与が支払われ、30万円(円換算後)の外国所得税を支払い、その年の国内給与が1,000万円、所得税が120万円としたときの控除限度額は下記算式より20万円となります。

4.控除限度額の超過額

外国所得税のうち、控除限度額を超える部分は所得税から控除することができません。外国所得税額が国税の控除限度額を超えるときは地方税の控除限度額から控除します。地方税の控除限度額は国税の控除限度額に30%を乗じて計算します。それでも控除しきれないときは、翌年以降3年間繰り越し、その繰越年度の国税と地方税の控除限度額から控除することができます。3年間繰り越しても控除しきれないときは繰越しの権利は消滅します。

Q12外国税額の為替換算

外国税額控除の計算における外国税の為替換算について教えてください。

ポイント

所得税法においては外国税額の為替換算の規定がないため、法人税法の規定を準用するのが妥当と思われる
源泉徴収納税をした外国税額は、源泉課税の対象となる収入金額の為替換算と同じ為替レートを使う
申告納税をした外国税額で、日本からの送金により納付したものは、送金した日の電信売相場で換算する

1.外国税額の換算

外国税額は外貨で納付しているため、外国税額控除の適用にあたっては、日本円に換算しなければなりません。

2.源泉徴収の方法により納付した税額

源泉徴収課税の対象となった利子や配当などの収入金額の為替換算に使ったレートと同じレートで換算します。

3.申告納税の方法により納付した税額

譲渡所得に対する税金など申告納税の方法により納付する外国所得税で、日本から送金して納付するものは、その個人が外貨建て取引の費用の換算に適用している為替相場、または送金をした日の電信売相場を使って換算します。

Q13給与所得の所得源泉地

当社の役員と従業員が1名ずつ海外に勤務します。給与および役員報酬の所得税源泉地は勤務地でよいのでしょうか。

ポイント

給与の所得税源泉地は勤務地である
役員報酬には別規定がある