FAQQUESTIONS

駐在員にかかるコスト試算

Q1駐在員1人当たりにかかるコスト試算(4か国別)

社員を海外に赴任させると、どのくらいのコストがかかるのでしょうか。家族帯同の場合、単身赴任の場合のそれぞれについて教えてください。

A. 日本からの赴任者の給与は通常、手取額を先に決定し、この手取額に日本人学校費用や赴任地での住居家賃などを会社が負担しますが、通常、日本人が受け取る給与は東南アジア各国の給与水準と比較するとかなり高額である上、海外勤務しているということで海外勤務手当などの各種手当が付与されるため、日本勤務時以上に給与が増えるため、現地での個人所得税にかかる累進税率はさらに高いものになります。
また、会社が支給する住居や日本人学校での教育費等も現物給与として課税される場合もありますから、これらコストを計算すると、当該社員が日本で勤務していたときの2倍以上のコストがかかることになります。
そこで以下では、赴任形態別でみた赴任者にかかるコストを国別で試算した結果を見ていきましょう。

1.家族帯同者の場合

家族帯同者の場合、子女を連れて行く場合、小中学校(場合によっては幼稚園・高等学校)の学費等の大半を会社が負担しているケースが多くなっています。また、家族帯同であれば単身赴任者と比較して部屋数の多い住居が必要であることや、一時帰国や海外旅行保険・医療に伴う費用が家族全員についてかかることなどから、独身者や単身赴任者よりコストがかかります。
そのため、企業の中には家族帯同で赴任することを暗に禁止したり、小学校低学年までの子女がいるなど家族を帯同しそうな社員を赴任候補者からはずしたり、家族帯同は認めるものの教育費の観点から子女が多数いる赴任者は赴任候補者から外しているケースも少なからず存在します。

Q2海外赴任者規程とは

当社は今後、海外拠点を増やし、それに伴い海外駐在員数も増加させる予定です。近日中に、海外赴任者規程を整備したいと思いますが、海外赴任者規程に記載すべき事項としては、どのようなものがあるか教えてください。

A. 海外駐在員の取扱いについては、暫定的に「海外出張旅費規程」に基づく手当を支給することで対応している企業もありますが、そもそも短期間の海外勤務を想定した海外出張旅費規定と、長期での海外勤務を想定した海外駐在員では、その性格が異なります。今後、各国に海外展開する予定がある場合は、できるだけ早急に「海外赴任者規程」を作成し、それに基づいた運用を行うことが望ましいといえます。

1.なぜ海外赴任者規程が必要なのか

海外赴任者規程とは、海外駐在員の給与や処遇について取り決めるものです。
海外駐在員が数名程度のうちは、海外出張規定を準用しているケースもありますが、そもそも、短期間の海外出張者の取扱いを定めた出張規定と、長期の海外駐在を前提とした海外赴任者規程ではその趣旨が異なるため、出張規定を長期で使用すると、何かと不都合が生じることが少なくありません。
また、海外赴任者規程がない場合、駐在員は不明点をその都度、本社の人事担当者等に確認しなければならないため、海外駐在員側・本社の双方にとって無駄なコストがかかることになります。また、規程がない状態で海外勤務させていると、結果的に各駐在員の取扱いに差異が発生し、いざ給与体系や処遇を統一しようとしても、相対的に高待遇の海外駐在員が、既得権益を失いたくないため、給与体系・処遇変更に抵抗し、スムーズな体系変更の阻害要因になることも考えられます。
そこで、できるだけ早急な赴任者規程の作成が必要となってきます。

2.規程作成に当たっての考え方

海外赴任者規程は、非常にシンプルなものから、詳細について取り決めているものまで会社によって様々です。
また、規程集のヒナガタや、親会社や関連会社の規程をそのまま使用していると、自社の実情にそぐわない点や、国内の就業規則とかみあわない点がいくつも出てくるなど、対応に苦慮することがあります。
よって、海外赴任者規程については、自社の実情をよく勘案した上で、シンプルなものでもよいので、まずは作成し、そこから実情に応じて適宜修正、追加をしていく必要があるでしょう。
海外赴任者規程とは」以降では、海外赴任者規程の内容について説明していきます。

Q3海外赴任者規程 〜総則〜

(目的・定義・所属など)海外赴任者規程に記載すべき事項について順番に教えてください。

A. 海外赴任者規程の「総則」部分では、当該規程の目的や、用語の定義、家族の帯同に関してなど、会社としての方針等を明記します。海外赴任者規程の「総則」部分では、海外赴任者規程の目的や用語の定義、家族の帯同など、会社としての海外勤務に対する基本的な方針を明記します。海外勤務に当たって家族を帯同させるか否かは、一般に大手企業では「家族帯同を原則とする又は推奨する」ケースがほとんどです。とはいえ、40代から50代の社員の場合、子女が高校、大学受験にさしかかる年齢のケースが多いため、実質的には単身での赴任になることが多いようです。

Q4海外赴任者規程 〜赴任及び帰任に伴う費用〜

海外赴任者規程に記載すべき事項について順番に教えてください。

A. 赴任及び帰任に伴う費用についても、海外赴任者規程で上限額を明示しておかないと、結果的に「実費を全額負担」することになり、かえって企業にとって負担が大きくなります。
帰任及び帰任に伴う費用は、現地までの交通費だけでなく、赴任前支度金や荷造運送費、海外旅行保険など様々です。一つ一つの費用はそれほどで大きくなくても、まとめてみると、相当の出費になることも少なくありません。そのため規程で上限額を設けておくことで、会社としても、赴任時にかかる費用の目安がわかり安心です。
また、現地法人や関連会社等、自社とは異なる法人格の会社へ出向させる場合、赴任にまつわる費用についても、100%日本側が負担するのではなく、現地法人側にも負担させたほうが、日本の税務上も問題なりにくいといえます。

Q5海外赴任者規程 〜給与及び手当・福利厚生〜

海外赴任者規程に記載すべき事項について順番に教えてください。

A. 海外勤務者の給与をどのような方式で決定するか、また手取額をどうするかなど、海外赴任者規程の中で、もっとも重要な部分といえます。海外赴任規程の中で、最も核となる部分で、他社駐在員とも比較されやすい項目です。

Q6海外赴任者規程 〜その他(国内及び現地での社会保険・税務・一時帰国など)〜

海外赴任者規程に記載すべき事項について順番に教えてください。

A. 国内社会保険料、現地社会保険料・税金の取扱い、一時帰国、海外勤務中の退職などについても取扱いを明示する必要があります。
海外赴任中は、日本で所得税が発生するケースはほとんどありませんが、日本本社と雇用関係が継続する限り、日本の社会保険料は継続して支払う必要があります。また、海外給与を「手取補償」としているのであれば、現地での税金・社会保険料相当額は会社が実質的に負担することになります。
会社が現地での社会保険料を負担する以上、当該社会保険料に関して還付金等が発生した場合も、当該還付金は会社に戻し入れてしまうのが望ましく、そのあたりまで言及している規程も存在します。